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2006年7月6日
■レールを架け橋に平和貢献
 -平和を希求する活動が本格化した-
 「イラク鉄道復興人道支援会議(議長=森正暁JR西労組顧問)」は、六月二十六日、イラク駐日大使を招いて、「銃よりレール」をスローガンにした発足以降二回目の大集会と、ODA活動に向けた共同コメントに調印式を執り行った。続く二十九日には京都市内において、JR連合「21世紀の鉄道を考える国会議員フォーラム」を開き、同会議の経緯と今後の活動に理解と協力を求めた。また同支援会議では、六月上旬よりイラク国鉄技術者二名をJR西日本・九州の主要施設などで視察・研修のため受け入れている。


 二十六日夕、二百五十名が参加した『イラク鉄道の復興に向けた大集会〜銃よりレール〜』は、博多市内での開催もあってJR九州労組から多くの活動家と組合員が参加した。

開会は舩津議長代行(=JR九州労組委員長)から、支援会議の活動経緯を踏まえてあいさつ、イラク駐日大使と同国鉄技術者の三名を歓迎した。

森議長は支援会議を代表して、「戦争〜敗戦の不幸な経験をもつわが国も、国鉄労働者があらゆる困難を乗り越えて鉄道を復興、経済と雇用、地域社会の発展にレールをもって貢献した」として先人・先輩の鉄道に架ける偉業を讃えた。

そのうえで、「自衛隊派遣の是非論はあるが、今後、働く側からレールを架け橋にイラクの平和貢献に努めたい。それが共同コメントへの調印式でもある」とする決意を表明した。

森議長のあいさつを受けてガーニム・アル・ジュマイリ駐日大使は冒頭、「感謝・感動で胸が一杯」として、喜びを表現した。

大使はそのうえで「自衛隊撤収を契機に、両国関係は強く新たな局面に入る」と期待感を示し、「イラク国民は日本の支援を強く願っている。世界に冠たる技術国のノウハウを学び、技術を国内に包括的に活用したい」として、支援会議の活動に感謝の意を表した。(駐日大使のあいさつ要旨は別枠を参照)

集会はその後、イラク鉄道の現状報告などを受けて、杉原事務局長(=JR西労組書記長)から共同声明を報告提案し満場一致で賛同、今後の活動に決意を固めた。

政府開発援助(ODA)の有効活用を求める調印式は集会冒頭に執り行われ、

イラク駐日大使、同共和国鉄道、支援会議議長、同議長代行(参加労組委員長)がサインした。

森議長は調印式に臨み、「歴史に残る共同コメントとしてサインし、支援会議の熱意を両政府に伝えたい」として、鉄道の復興を通じてイラク情勢の安定に寄与する決意を示した。

 調印後の記者会見では、ガーニム・アル・ジュマイリイラク大使から、「経済とインフラが課題。日本の官民を問わない包括的支援が必要」と見解を述べた。

約一ヶ月間研修を重ねたイラク国鉄技術者からは、「とりわけ高度なハイテク車両、通信・敷設技術について国内教育で活かしたい」として、引き続く研修の必要性を強調。合わせて「将来的に新幹線を引く努力をしたい」と構想を語った。

駐日イラク大使
ガーニム・アル・ジュマイリ氏挨拶要旨

支援期待国の一番は日本
鍵を握る輸送システムの復興

 私は今、みなさまへの感謝・喜び・感動で胸がいっぱいです。本当にありがとうございました。そして、私の国のイラクの友人達への支援を決意していただいたことに感謝をいたします。

 二年間に亘り、大使としての私に対し、イラクに対して多大なる支援を与えて下さっております森議長をはじめとするリーダーシップのもとに、支援活動という道を歩んできております。

 昨日今日の二日間、私は、九州を鉄道を利用して回ったわけですが、日本は、本当に素晴らしい鉄道システムをお持ちだと思います。皆様、誇りに思って下さって十分なシステムをお持ちです。今度は、私どもイラクの大使、イラクの技術者が、イラクに戻りまして、イラクの国民に伝えることが、今、課せられた責務だと思っています。もちろん鉄道にかかわる人たちに、今回日本で見聞したことを伝え、国の復興に役立てていくべく、伝えることを責務だと感じています。

 さて、どうしてもイラクの政情・政治について、お話ししなければなりません。イラク大使という役柄、このことは、避けては通れません。

 先週木曜日、小泉首相は、日本の自衛隊のイラクのサマワからの撤退の命を出しました。すでに撤退作業は進んでおりまして、クウェートへと移動をしているところです。サマワでの任務を終え、撤退の途についたわけですが、これまで、素晴らしい人道支援をしていただいております。もちろん、自衛隊の派遣については賛否両論あるとは思いますが、少なくとも自衛隊のみなさまが、サマワの地で行った様々な支援活動・サービスについては、日本の国民の皆様は、誇りとすべきものだと感じております。

 自衛隊撤退・撤収の決断は、イラクの首相が、多国籍軍より治安権限の委譲を認めた翌日になされたものでした。

 治安権限委譲というイラク首相による決断は、いくつかの条件を満たす必要がありました。サマワがありますムサンナ県内においての条件ですが、まず一つは、政治的なプロセスが整っているかどうかということ。二つ目は、治安が確保できるかということ。そして三つ目が、この地域における警察・治安の能力が、それを維持するのに十分であるか。という三点です。これが確保されたという認識のもとに、治安権限の委譲の命令が出たわけです。

 先月、何十年もの月日を費やしまして、初めて、憲法に適った形での選挙が行われ、政府が樹立しました。

 そしてこの選挙に先立つ六ヵ月前、国民選挙が実施されました。それは、まだテロの危険が渦巻く中での実施でしたので、多くの人が投票に行くことに対し不安を感じた状況の中でもありました。しかし、大多数の選挙民が一票を投じ、初めて国民議会・議員の選挙が成されたというのが始まりです。

 その他にも、先ほど申しましたように、未だテロの脅威が冷めやらない状況ですが、イラク人の中には、勇気を持って、警察官になる人、軍隊に入る人などが出てきています。

 今回の自衛隊の撤収を契機に、これから日本とイラクの関係は、新しい局面へ入っていきます。より強い協力関係を持って、イラクの復興へと日本の皆様が、関与してくださる、そのような局面に入っていくと考えています。

 今後のイラクの復興の中で、ぜひ大きな支援の手をいただきたいとイラク国民たちは大きな期待を抱いています。

 昨年スタンフォード研究所が、調査を行いました。イラク人に対して、いったいどの国からの支援を欲しいかという問いをしましたが、その第一として挙げられた国が日本でありました。

 イラク国民は日本の方々にイラクに来て、支援をしていただきたいという気持ちを強く持っているわけです。もちろん、復興には、非常に戦略的な計画を立てて取り組む必要があります。しかし、どういう計画にしろ、その中で、鍵を握る役割を果たして下さるのが、日本だということに変わりがありません。

 もちろん、イラク復興のためには、国際社会に働きかけていくことも必要です。そして、イラク人自身ができることもたくさんありますし、その力を発揮していきたいと思っています。その歩を進めていく上で、やはり、日本からの支援が必要なわけです。

 具体的に申しますと、日本からは、皆様の経験を教えていただきたいということです。六十年前、日本は、戦争によって 一度破壊されました。その中から、立ち上がる上で、皆様が、成功されたこと、また中には、失敗もあったと思いますけれども、そのようなものを教えていただきたいと思うわけです。

 日本は、世界に名だたる技術国です。皆様から、技術を学びたいということが、一つあります。そして、さらに大切なことは、その技術を人々のために使うということです。そのようなものを、包含したシステムを教えていただき、新しいシステムをイラクの中で作っていきたいと思っています。人々の幸福に資するようなシステムを作っていきたいと思っています。

 三つ目に皆様に教えていただきたいこと、それは、環境という観点からの認識と取り組みです。イラクは30年間の独裁政権のもと、内戦あり、また、隣国との対立がありました。そんな中で、環境破壊が非常に進んでいます。多くの人が、環境破壊による病気にさいなまれ、また公害にも悩まされています。放射性の物質による害も出てきています。

 ですから、今後、国が復興していく中で、とりわけ、輸送システムの復興を成す中で、この環境という観点からのいろいろな技術や経験を、教えていただきたいと思っています。

 最後になりましたが、今回、私を招いてくださったこと、また二人のイラク人技術者をお招きいただいたことに対し、心よりお礼を申し上げます。二人は、自分の経験を持ってこちらに参り、イラクの鉄道の現状をお話する機会を得ております。そのことについても、素晴らしい機会を得たと思っております。

 本当に皆様の寛大なお心に感謝するとともに、今後イラク鉄道の復興に対し、一つの大きな決断をなさってくださったことに対し、重ねてお礼を申し上げて、私の挨拶といたします。

 


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