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2005年7月21日
■風通しの良い職場環境づくりに向けて
 -L職(係長)、M職(助役)対象アンケート集約結果-
JR西労組は、5月末に実施した全運転士対象アンケートに続き、運転職場(電車区、列車区、鉄道部など)のL職(係長)、M職(助役)を対象とした、「職場における業務管理に関するアンケート」を実施し(調査期間6月21日〜7月4日)、7月15日集約結果が公表しました(対象者798名のうち771名から回答)。
集約した意見については、安全性向上計画の実行にあたり、活かしていきたいと考えています。
L職、M職対象「職場における業務管理に関するアンケート」集約結果

平成17年7月15日

西日本旅客鉄道労働組合

J 対象者などについて

  • 対象者:運転職場(電車区、列車区、鉄道部など ※一部車掌区含む)のL職(係長)及びM職(助役)
  • 対象者数:798名(一部休職者等除く)
  • 集約数:771名(集約率96.6%)
  • 調査期間:平成17年6月21日〜7月4日

K 集約結果について

集約結果は、アンケートが記述式で個別データとして表すことが難しいため、傾向として類型化し記載しています。なお、記載していない意見についても、全体施策として取り組むべき課題、地方として個別に取り組むべき課題などに分類しながら、今後の私たちの取り組みに活用していきたいと考えています。

 1 再教育について

@ 再教育(日勤での教育)担当として、乗務員を指導したことがありますか?

回答者771名のうち、316名(41%)が乗務員の指導を担当したことがあると回答しており、指導担当に限らず多くの係長(L職)、助役(M職)が再教育に関わっていることがわかります。


A @で「はい」と答え方に伺います。

再教育前に事情聴取を行うにあたり、苦労する点をお答え下さい。(自由記述)

 「乗務員が答える内容が二転三転することがある」「事故の状況を正確に覚えていない乗務員がいる」という回答が53%を占めており、事故時の状況を正確に把握する事情聴取に労力がかかっている様子が伺えます。

 また、27%が「事故の原因を明確にすること」に苦労すると答えているほか、10%が「乗務員が自信をなくさないように気を遣うこと」「乗務員が落ち込んでいるため気兼ねすること」と答えており、上司としての乗務員への配慮に苦慮している様子が伺えます。

B 再教育を行うにあたり、難しさを感じる点をお答え下さい。(自由記述)

 「再教育の内容をどうすべきかを悩む」「(出勤遅延など)意識面の問題によって再教育を行う場合、どのような内容にするかが難しい」「再発を防止するための再教育内容を考えることが難しい」という回答が約1/4を占めており、多くの係長・助役が再教育の「カリキュラム」作成に苦労していると答えています。

 また、10%が「同じ事故を繰り返さないという気持ちを乗務員にもってもらうこと」、6%が「再教育(を受けること)が事故再発防止につながることを(乗務員に)理解してもらうこと」と答えています。

C 「指導監」制度についてどのような期待をお持ちですか?(自由記述)

 30%が「専門的に再教育を担当することで充実した再教育が期待できる」「全社的に統一された再教育が行われることが期待できる」「事故原因に応じて、柔軟な教育が行われるのではないか」と回答しており、再教育の充実に期待する声が目立っています。

また、12%が「現場と支社・本社とのパイプ役を担ってほしい」「違った視点で現場を見て、自分たちが気付かないことを指摘してほしい」と回答しており、業務改善に向けた期待も見受けられます。

なお、20%が「まだ詳しく聞いていないため、何とも言えない」と回答しています。


 2 職場における意思疎通、職場管理のあり方について

@ 乗務員と意思疎通を図るにあたり、難しい点・苦労する点をお答え下さい。(自由記述)

 約1/3が「乗務員と係長・助役との間に、見えない職制の壁があるように思う」と答えており、指導や職場管理する立場として、コミュニケーションを図る難しさを感じていることがわかります。

 「コミュニケーションを図る時間がなかなか取れない」(18%)という回答は、業務多忙の実態や所属区所を離れて仕事を行うという乗務員職場の特性を表していると言えます。また、12%が「20代の乗務員が多く、年齢が離れているため話題に困ることがある」、5%が「(仕事以外の)プライベートな話でコミュニケーションを取りたいがなかなか難しい」と答えています。

A 現場長に対して期待する点をお答え下さい。(自由記述)

 非常に幅広い回答となりましたが、16%が「職場のトップとして、リーダーシップを発揮して職場をまとめてほしい」と答えています。また、「風通しが良く、何でも自由にモノが言えるような職場を作ってほしい」「係長・助役に限らず、部下の意見に耳を傾けてほしい」という回答が19%を占めており、強引なリーダーシップを否定する声も見受けられました。「部下の育成に力を入れて欲しい」(6%)、「公平な評価に努めてほしい」(6%)と言った声が出ていることは、西労組として今後の大きな課題と言えます。

B 支社の役割について期待する点をお答え下さい。(自由記述)

 業務上最も関わりのある支社に対して、17%が「現場に足を運び、現場の実態を把握した上で業務を進めてほしい」と答えており、現場と支社との関わりが希薄化している現状が指摘されています。また、「現場をしっかりとサポートする体制を整えてほしい」「現場と本社とのパイプ役に徹してほしい」という回答が15%を占めていたほか、「現場任せにせず、的確な業務指示を行ってほしい」(11%)、「指示を簡素化し、報告書類を減らしてほしい」(6%)という回答がありました。多くの係長・助役が現在の支社の役割に不満を感じていることがわかります。

C 客室添乗(裏面添乗)についてどう思いますか?

32%が「現行のまま継続すべき」、33%が「改善は必要だが客室添乗は必要」、29%が「乗務員室内での添乗に変更すべき」と回答し、予想以上に回答が拮抗する結果となっています。乗務員の客室添乗に対する認識と乖離があり、効果や必要性について、引き続き慎重な議論が必要だと考えています。


D Cで「イ」と答え方はお答え下さい。

改善すべき点は何ですか?(自由記述)

 約1/3が「指摘すべき点があった場合、本人にできるだけ速やかに伝えるべきだ。」と回答しているほか、実施方法について「あらかじめ添乗する日時を決めて、本人に伝えるべきだと思う」「客室添乗の回数を減らすべきではないか」など約1/3の組合員が改善意見を記載しています。

 「添乗時の指摘事項を伝えるだけでなく、その後のフォローで弱点を補う取り組みをしっかり行うべきである。」(15%)、「悪い所の指摘だけではなく、良い所は褒めるなどメリハリのある指導を行うべきである」(10%)という回答は、現行の指導のあり方について、マイナス面を取り上げがちであるとの意識に基づくものと思われます。


E 実務能力向上に向けた現在の取り組みについて、改善すべき点は何ですか?(自由記述)

 25%が「本人の実務レベルに応じた、教育・訓練を実施すべきだと思う」「現車訓練をはじめとした実践的な訓練の時間を増やしてほしい」と回答しており、机上教育が中心になっている現状を指摘しています。

 また、19%が「やらされ感ではなく、自主的な取り組みとして定着することが理想だと思う」と答えているほか、5%が「指導者の数・質の充実」を望み、4%が「(実務レベル認定試験などについて)進級試験の専門科目試験免除などのインセンティブを設定すべきだ」と答えています。

F 育成記録を行うにあたり、難しさや苦労を感じる点をお答え下さい。(自由記述)

※「育成記録」とは、社員の実務能力向上のための業務の習熟度合を記録し、個々の社員の育成をフォローするため のものです。

 17%が「育成記録に記入する時間を確保することに苦労する」と回答しており、係長・助役の業務多忙の実態を表しています。「記入件数にこだわりすぎていると思う」(13%)、「判断基準が曖昧なため、マイナス事象を記入することが難しい」(10%)、「育成記録簿の中身を見直すべきだと思う」(6%)と回答があったほか、10%が「社員育成という本来の目的に活用しきれていないのではないか」との回答は、今後の労使の課題と言えます。

G 今回の事故で事故車両に乗り合わせた運転士二名に対して、自分なら現場に残り救出活動を行うよう指示できたと思いますか?(あなたは事故状況など現地の状況を概ね把握していると仮定します。)

 34%が「指示できると思う」と答える一方で、57%もの組合員が「指示する自信がない」と回答しています。事故状況など現地の状況を概ね把握しているという前提にもかかわらず、「自信がない」という回答が多かったことについて、真摯に受け止めなければなりません。




H Gで「自信がない」と答えた方に伺います。

 今後、どうすれば現場に残り救出活動を行うよう指示する自信が持てるようになると思いますか?

(自由記述  例:自らが受ける教育、勤務制度、要員など)

 35%が「代務要員の確保が確実に出来ることが前提」「結果として列車を運休することを会社として認めるルールを作ること」と答えており、欠勤が出た場合に要員操配に苦労している現場実態を表していると言えます。結果として「救出活動」より「出勤」を優先する可能性がある現状を深く受け止めなければなりません。

 また、「異常時における勤務扱いを柔軟に対応する必要がある」(20%)、「救出活動に向けた教育を行う」(16%)「救出活動に関わる異常時・緊急時のマニュアルを整備する」(12%)という回答があり、救出活動優先に向けて多くの課題があると言えます。

「情報伝達体制の充実」に関しても12%の組合員が意見を記載しています。

 3 その他

   安全性向上計画を含めその他何か意見があれば、お書き下さい。

  (省略)


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