ニュース WEST UNION
NEWS トップページへ戻る



 
 


2001年4月11日
 

■2001年春闘と新たな賃金・昇進制度

 JR西労組は、JR連合の春闘方針「定期昇給(相当分含む)の確保を前提に、1%以上を額にした純ベア」に基づき、次の賃金実態調査を踏まえて2月14日、純ベア3,500円・年間臨給5.6カ月の要求を中央委員会で決定、提出した。



 今年の春闘は「新たな賃金・昇進制度」の導入後、初の賃上げ春闘。JR西労組は、総決起集会や89,000名にもおよぶ全組合員・家族の賃上げ署名を背景に交渉を強化、連合のヤマ場ゾーンにおいて他産別・単組の妥結水準と遜色のないことを意思統一し「純ベア500円、年間臨給5.4カ月」で妥結した。純ベアは昨年同額、年間臨給は0.08カ月分の増額。

 昨年の定期昇給は6,580円、今年の定期昇給相当分は3,903円と、額のみの比較をすれば低く映るが、これは新たな制度への移行によるものである。  従来の賃金カーブは、54歳まで右肩上がりのカーブを描いていたが、60歳定年制の導入によって55歳到達時点で54歳賃金の75%を保障することとした。
 新しい賃金カーブは、連合も提唱する若年・中堅層からの早期立ち上がりの賃金カーブとし、合わせて35歳前後の賃金中だるみも解消、もとより「生涯賃金は担保」した。
 したがって、従来の賃金カーブと新たな早期立ちあがり賃金カーブが交わった年齢以降は、定期昇給額が緩やかになり、賃金が従来カーブと比較すると下降するが(Aの部分)、55歳以降の75%賃金を85%に引き上げることによって(Bの部分)生涯賃金の担保となる。




 最近、「定期昇給込み○○○○円」と比較の論調が目立つが、従来制度との比較はまったく意味を持たない議論となる。
 今年から基礎年金の支給年齢が段階的に繰り延べされ、65歳までの雇用確保が社会的に求められているが、この雇用背景を考えれば納得できる賃金カーブである。
 またJR西労組の意識調査(2000年)による「持家取得年齢」では、39歳までの取得が56%を占め、44歳までになると実に74%、平均年齢で36.5歳と早まっている。この組合員のライフステージを反映する意味からも賃金の早期立ち上げは必要とされている。
 新たな「賃金・昇進制度(人事処遇制度)」は、取り巻く労働環境、とりわけ今日までの日本的人事処遇制度を排し、欧米並みの処遇制度が強要されつつある中で、組合員のモチベーション機能への意識の変化などを踏まえ、従来から指摘された「能力評価」の曖昧さと非公開性を改善する制度である。
 よって、資格給に対応する仕事基準の設定と、個々人の努力・成果を公正・公平に評価する「絶対効果(個人毎の目標を設定しその経緯と結果を評価する。逆は、「相対効果」といい個々人を同レベルで評価する)」制度をめざしたものであり、同時に生計費を担保しつつ早期に立ち上がる賃金カーブを導入した。
 1年1歳の賃金軌道を追う基本給の定期昇給(従来の4号俸で約6,500円程度)は廃止し、新たに「年齢給」と「仕事給」を定期昇給相当分と位置付けたため、基本給表は存在しない。
 仕事給とは、資格給(等級)を能力基準だけでなく、仕事基準も含めて規定することから、本人の努力や成果を適正に評価できる。
 新しい制度の導入によって、従来からのJR各社との「平均」あるいは「年齢ポイント毎」の賃金水準は一様に比較ができなくなったが、産別を横断する比較が求められる今日段階では、逆に連合の金属労協傘下の産別・単組との比較は可能となった。
 春闘で賃金カーブを上に引き直す「ベア」においても、賃金表の書き換えも必要なくなった。
 JR西労組は、ベア配分は「基本給重点」として都市手当のスライド分や、必要により扶養手当の増額に配分する。基本給配分は「定額50%」と「定率50%」(昨年実績)を、仕事給と調整給に乗ずる。 


[ JR西労働組の組織概況News ! JR西労組の政策 交渉関係組合員福祉 ]
[ 機関紙コーナー
青年女性委員会かわら版 JR西日本グループ労働組合連合会 ]
[ イベントスケジュールリンク ]